第6章 教育におけるテクノロジーを理解する

この章の目的

この章を読み終わると、以下のことができるようになります。

  • 教育を背景とするメディアとテクノロジーの間の違いを理解することができるようになります。
  • 分析の枠組みの中に、新しく出現する技術を含め、様々なメディアやテクノロジーを配置することができるようになります。
For a my personal introduction to the next few chapters, please click on the podcast below.
この章の内容についての私の個人的な見解を知っていただくには、以下のポッドキャストをクリックしてください。(英語)


この章で扱う内容

教育におけるメディアとテクノロジーの本質と役割を理解し、メディアとテクノロジーを適切に使いこなせるようになることは、デジタル時代における教育を上手に進めるためにも欠かせません。この章はメディアの選択と利用について考えていく3つの章のうちの最初の章です。

この章では教育におけるテクノロジーの土台について重点的に述べます。そして以下のテーマを扱います。

加えて、この章には以下のアクティビティーが含まれています。

  • アクティビティー6.1 どのテクノロジーを教育に使うか、どのように決めたら良いのでしょうか
  • アクティビティー6.2 私たちは歴史から何を学ぶべきでしょうか
  • アクティビティー6.3 メディアかテクノロジーか
  • アクティビティー6.4 放送的かコミュニケーション的か
  • アクティビティー6.5 テクノロジーにおける時間と空間
  • アクティビティー6.6 メディアはどこまで豊富なのか
  • アクティビティー6.7 現在使っている技術の分析

重要ポイント

  1. テクノロジーはいろいろな使い方ができる道具にすぎません。何よりも重要なのは、テクノロジーをどのように使うかです。教育であっても、いや教育であるがこそ、同じテクノロジーをいろいろな方法に応用できるのです。ですからテクノロジーの価値を判断するためには、それをどのように使うことができるかについて詳しく見ていかなければなりません。本質的な議論としては、いっそうメディアに注目することになるでしょう。つまり、テクノロジーの利用の中で、どの部分が個々のツールやテクノロジー自体の利用と言うよりも、全体的な利用として語られるのかです。もちろん個々のツールやテクノロジーが、ほぼ全てのメディアの中での重要な構成要素であったとしても同様です。
  2. テクノロジーよりもむしろメディアに注目することにより、対面授業さえもメディアに含めることができます。そうすればテクノロジー型のメディアとの様々な特性や性質との違いを比較することができるでしょう。
  3. 通常は組み合わせて利用されますが、教育メディアとして主に扱われているものは以下の6つです。
    • 対面授業
    • 教科書
    • (静止)画像
    • 音声(スピーチを含む)
    • 動画
    • コンピュータの利用(アニメーション、シミュレーション、バーチャル・リアリティを含む)
  4. メディアは形式、記号システム、文化的価値によって異なります。これら独自の特徴はメディアやテクノロジーのアフォーダンスと呼ばれる機会が増えています。つまり、異なるメディアが学習者の様々な学びを支援し、異なる成果を達成するために使われます。そして学習の個別化も進むでしょう。
  5. 似ているテクノロジーもあれば、異なるテクノロジーもあります。このような違いに着目することで、新しいテクノロジーを分析するための土台を手にいれることができます。つまり既存の景色の中に「フィット」するならば、それはどこなのかを理解することができます。さらに教育や学習における潜在的な長所や短所を評価することもできるでしょう。
  6. このような性質や特徴は他にもまだまだあることでしょう。しかし次の3つは特に重要です。
    • 放送かコミュニケーションか
    • 同期型(ライブ)か非同期型(録画)か
    • 単独のメディアかリッチメディアか
  7. そうは言っても、どのメディアがどの特性や性質にフィットするかを知るには、通常、そのメディアがどのように設計されているかによるでしょう。同時に、テクノロジーには通常、この3つのうちのどれかで限界点を強いられることになります。つまり、メディアにおける教育的なアフォーダンスの利用という点において、それぞれの特性に「自然」な位置と、適切な設計があります。
  8. つまりメディアの持つ特性や性質は、従来ならば不可能であると考えられていたことが、新しい教育メディアやアプリケーションによって達成できるようになるかもしれないということを認識しながら、学習目標や希望する成果に対して評価していかなければなりません。
  9. 時代の流れの中で、メディアの傾向としては、よりコミュニケーション的に、より非同期的に、そして「リッチ」になってきました。そして教員や学習者に対して、いっそう威力のある教育・学習のためのツールを提供してきました。
  10. インターネットは非常に強力なメディアです。ツールやメディアをインターネットと組み合わせることによって、教育メディアとしての特性や性質を持ち合わせることができるようになりました。

ライセンス

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Copyright © 2020 『日本語版』, 2015 Anthony William (Tony) Batesの「デジタル時代の教育」は、特に断りのない限り、クリエイティブ・コモンズ 表示-非営利 4.0 国際 ライセンスに規定される著作権利用許諾条件。

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