第8章 教育におけるメディアの選択と利用:SECTIONSモデル
この章の目的
この章の主な目的は、教育や学習のためのメディア選択やメディア利用の枠組みとして効率的な手法を提供することです。ここで紹介するのは SECTIONS モデルの枠組みで、次の頭文字をつなげたものです。
- Students (S: 学習者)
- Ease of use (E: 使いやすさ)
- Costs (C: コスト)
- Teaching functions (T: 教育のための機能)
- Interaction (I: やり取り)
- Organisational issues (O: 組織に関わる問題)
- Networking (N: ネットワーキング)
- Security and privacy (S: セキュリティとプライバシー)
この章を読み終える頃には、あなたが教えるどんな教科についても、適切なメディアやテクノロジーを選ぶことができるようになっているはずです。そして、あなた自身の決定をきちんと理由づけることもできるようになっているでしょう。
この章で扱う内容
- 8.1 メディア選択のモデル
- 8.2 学習者
- 8.3 使いやすさ
- 8.4 コスト
- 8.5 教育とメディア選択
- 8.6 やり取り
- 8.7 組織に関わる問題
- 8.8 ネットワーキング
- 8.9 セキュリティとプライバシー
- 8.10 決定
加えて、この章には以下のアクティビティーが含まれています。
- アクティビティー8.1 メディア選択についての予備的な決定
- アクティビティー8.2 学習者を知る
- アクティビティー8.4 どのメディアを使うかの決定にコストはどのような影響を与えるか
- アクティビティー8.5 マルチメディア設計の原則
- アクティビティー8.6 学習者の活動を促進するためのメディア利用
- アクティビティー8.10 メディアおよびテクノロジーの選択
重要ポイント
- メディアやテクノロジーの選択は複雑なプロセスで、相互に絡み合う様々な要因が関係しています。
- 現在のところ、メディア選択のための十分な理論や手順は存在しません。しかし SECTIONS モデルは一定の基準や、決定に至る論点を示してくれます。この考え方に立つことで、教員はどのメディアやテクノロジーを利用するか、適切なタイミングを逃さずに決定することができるでしょう。
- メディアの選択と利用には幅広い要因が影響しています。このため意思決定のアプローチは帰納的または直感的なものになります。しかし、SECTIONS の枠組みの全ての基準を慎重に分析し、十分な情報を得ていれば、教育や学習のためのメディアとテクノロジーについて判断するための実用的なアプローチになります。