This story gives the background information about Keira Tomoko and why she decided to spend a year with an Ainu elder learning about her heritage and the Ainu way of life. The level is lower intermediate.
読む前に、単語を覚えましょう。
本文を読みましょう。
一九四七年、白老の漁師の家に生まれ、中学校を卒業するまでそこで暮らした私は、アイヌの家庭に育ちながら、アイヌの習慣や言葉に全くと言っていいほど触れることなく成長しました。それは両親の子供時代というのが同化政策の仕上げとでも言うべき時代で、「これからはシャモ(和人)の時代だから、アイヌのことは知らなくてもいい。1日も早く、立派な日本人になりきれ」と、父も母も言葉や習慣を一切教えられなかったためです。
親や周囲からアイヌについて何かを学ぶということもなく育った私が、「アイヌって何だ」と疑問を持ち、アイヌのことを知りたくなったのは、就職して都会で暮らすようになってからでした。そして、アイヌについてあまりにも無知で偏見に満ちた周りの状況に耐えられず、「せめて私なりにアイヌのことを正しく知ってもらおう」と白老に戻り、観光施設ポロト・コタンで働きだしたのが二十歳のころです。二年間、踊り子として働きながら、観光を通してアイヌの状況を知ってもらいたいという願いは、結局、空振りに終わってしまいました。しかし、この時、静内から働きに来ていた山田ハナコ・フチ(婆ちゃん)と出会い、そして一緒に過ごした時間は、私にとって大きな意味を持つことになったのです。
「アイヌって、こんなふうに感じるんだ」「アイヌの女は、こんなふうに考えるんだ」ということを、生まれて初めて私は知ることができました。
計良智子, フチの伝えるこころーアイヌの女の四季 p. 11
漢字を練習しましょう。
聞きましょう。
ゆっくり
しらおい
Shiraoi - name of place in Hokkaido
りょうし
fisherman
ちゅうがっこう
Middle School
そつぎょう
graduate
くらした
Lived
かてい
Household/Family
そだつ to be raised, grown
しゅうかん
customs
ことば
language; word
まったく
Not at all
ふれる touch, feel
せいちょう growing up, development, growth
りょうしん
Parents
こどもじだい
Childhood
どうかせいさく
assimilation / integration policy
しあげ
final phase; finishing touches
じだい
Era
わじん
Non-Ainu Japanese People
りっぱ
splendid, important
にほんじん
Japanese
ちち
Father
はは
Mother
いっさい
All/Everything
しゅうい
surroundings; people around you
まなぶ
Learn
そだった
Grow Up
ぎもん
Question
しゅうしょく start working, get a job
とかい
big city
くらす live, reside
むち
ignorant
へんけん
prejudice
じょうきょう
State/Situation
たえ
Endure
かんこうしせつ
tourist facility
はたらき
Working
おどりこ
dancer
かんこう
tourism
けっきょく
After all
からぶり「空振りに終わる」 end in failure
おわって
Ended
しずない
Shizunai - name of place in Hokkaido
ばあちゃん
Grandmother
であい
encounter
いっしょ
Together
すごす
spend/pass time
いみ
Meaning
かんじる
Feel
かんがえる
Think